第81章

「おバカさん。忘れたの? キスしたり触れ合ったりしたほうが、気持ちは育つって……それ、澪が自分で言ったんだろ」

「で、でも……」

朝比奈澪は頭をぽりぽり掻き、さっきの出来事を思い返した瞬間、頬がかっと熱くなった。

確かに言った。言ったはずだ。

なのに、どこか――何かが違う気がする。

「ほら。まず着替えておいで。明日、改めて作らせるから」

神宮寺玲央は優しく澪の頭をくしゃりと撫でる。漆黒の瞳には、隠しきれない笑み。

「どうして作り直すの? このドレス、すごくいいと思うけど」

澪が不思議そうに見上げると、玲央は一拍だけ黙り、ゆっくり言った。

「それ、澪には合わない。もっと澪に似...

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