第90章

神宮寺玲央は伏し目になり、艶めいた喉仏が小さく上下した。

長い腕を伸ばすと、しきりに彼を煽ってくる少女を、逃げ場のないほど強く胸の中へ抱き込む。

「俺が好きかどうか……おまえはどう思う? ん?」

大きな掌が朝比奈澪をきつく閉じ込める。強引で、侵略的で、拒む隙すら与えない抱き方だった。

朝比奈澪は睫毛をふるりと震わせ、にやりと笑って顔を上げると、男の唇を軽く噛んだ。

「好きに決まってるじゃん。私こんなに可愛いんだよ? 好きじゃないなら目が節穴!」

ふん、と鼻を鳴らす。小さな顔には、得意げな自信がありありと浮かんでいた。

神宮寺玲央は困ったように指を曲げ、彼女の鼻先をくい、と掠める...

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