第92章

見物人たちは一斉に息を呑んだ。驚愕と、眩むような美しさに目を奪われて。

神宮寺玲央――?

まさか、あの神宮寺玲央なのか。

「俺、前に一度だけパーティーでお見かけしたことがある! 間違いない、あれが神宮寺玲央だ!」

人混みの中から、男が興奮した声で叫ぶ。

ざわっ、と空気が波立ち、あちこちで「うそだろ」とでも言いたげな吸気が重なった。

神宮寺玲央が、神崎家の婚約披露宴に?

神崎家は、神宮寺家と繋がったのか――そんな憶測が一瞬で広がり、視線は複雑な色を帯びて彼に集まる。

「でもさ、あの女の子と神宮寺玲央の関係、気にならない? 神宮寺玲央って結婚したって聞いたし……まさか、あれが――...

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