第99章

神宮寺玲央は、いまさらながら痛いほど後悔していた。

あの時、朝比奈家という厄介事を――もっと早く、きっちり片づけておくべきだったのだ。そうすれば、朝比奈澪にこんなにも悔しい思いをさせずに済んだ。

「平気だよ。前から言ってるでしょ。私、性格的に何食べても損しないタイプなんだって」

澪はけろりと笑い、無邪気そのものだった。

彼女は男の首にぎゅっと腕を回し、横顔へちゅ、と軽いキスを落とす。

「朝比奈瑠璃にされた分は、もうとっくに返したし。それに、瑠璃が必死に守ってるものなんて、私にとっては一文の価値もないもん」

澪は最初から、朝比奈瑠璃と争うつもりなどなかった。

朝比奈隆之や朝比奈千...

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