第7章

綾辻穂弥視点

二ヶ月後、S市にある病院にて。

私は診察台に横たわり、定期検診の結果を待っていた。この二ヶ月、来る日も来る日も神崎空と桐生陸の対策を練り、心身ともにすり減らしていた。

「綾辻さん」

医師が私のカルテを手に、不思議な笑みを浮かべて入ってきた。

「素晴らしいお知らせがありますよ」

私は身を起こした。

「どんな知らせですか?」

「おめでとうございます、ご懐妊です」

医師の笑みはさらに明るくなった。

「六週目くらいですね」

その瞬間、世界が止まったように感じた。

「……本当、ですか?」

自分の耳を疑い、声が震えた。

「血液検査と尿検査、どちら...

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