第24章

神野怜司の表情が、瞬時に変わった。

「……なんだって?」

勢いよく立ち上がる。声には、押し殺した怒りが滲んでいた。

「いつの話だ?!」

「き、昨日の夜です。たぶん、明け方……」千葉七生が慌てて説明する。「凛奈さんが住んでるお屋敷の庭に、黒ずくめの男が二人、侵入してきて……手に、薬を」

「でも凛奈さんは無事です。凛奈さんが自力で二人とも取り押さえて、ケガひとつありません」

千葉七生は「ケガがない」ことをことさら強調した。神野社長の怒りが、自分に飛んでくるのが怖かったのだ。

だが、それでも神野怜司の顔色は最悪のままだった。

拳を握り締める。関節が白く浮き上がるほどに。

薬……?...

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