第38章

凛奈はバケツを提げ、のんびりと戻っていく。

神野怜司はその隣を歩きながら、彼女の横顔を眺めて口元に笑みを浮かべた。

「夜は何が食べたい? 俺が作るよ」

凛奈が眉を上げる。

「海鮮、できるの?」

「少しならね」神野怜司は軽く笑った。「昔、海外にしばらくいて、ちょっと覚えたんだ」

「いいよ」凛奈は遠慮しない。「じゃあ今夜は、神野社長にお願いしようかな」

「全然」神野怜司は彼女を見つめ、目元をやわらげる。「君に料理を作れるなんて、光栄だ」

凛奈の心臓が、理由もなく一拍早く跳ねた。

彼女は顔を背け、足早に前へ出る。

「余計なこと言ってないで、さっさと行く。腹減った」

神野怜司は...

ログインして続きを読む