第42章

周囲の面々は顔を見合わせ、なんとも言えない表情を浮かべた。

黒宮司奈は、その場で固まった。

凛奈が電話に出たら、橋本美子が向こうで荒れれば荒れるほどいい。自分は隣で可哀想なふりをして、泣きながら「ママ、怒らないで。お姉ちゃんもわざとじゃないの」と宥める――そう段取りまで組んでいたのに。

ところが、凛奈は橋本美子に一言も言わせないまま、ぷつりと通話を切った。

司奈の顔色がさっと青ざめる。

「お姉ちゃん、どうしてそんなことするの! 相手はママだよ! 心配してくれてるのに、いきなり切るなんて……」

「心配?」凛奈は鼻で笑った。「あの人が心配してるのは、私があなたの卓海兄ちゃんの目を潰し...

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