第56章

橋本美子が悲鳴を上げ、転げるようにして駆け寄った。

黒宮京介も黒宮卓海も顔色を変え、慌ててしゃがみ込んで支えようとする。

黒宮誠は目を固く閉じ、顔面は青紫に変わっていた。

「早く! 救急に電話しろ!」黒宮京介が怒鳴った。

黒宮卓海は震える手でスマホを取り出し、何度もかけ間違えてからようやくつながった。

「救急車! 父が倒れた! 住所は――」

黒宮司奈はソファに崩れ落ち、涙が止めどなく頬を伝う。泣き声さえ、出し方を忘れてしまったみたいに。

どうして……。

さっきまで普通だったのに、どうしていきなり……?

検査結果は本物で……。

杉山主任は調べられて……。

自分と西島真尾の...

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