第57章
凛奈はそこでようやく思い出した。
西島真尾の、あの従姉だったのか。
確か真尾が、ちらっと口にしていた気がする。従姉が一人いて、家の事情が苦しく、ずっと西島家の援助で食いつないできたこと。普段からあちこちに顔を出してはタダ飯を食らい、他人の懐具合にだけはやたら敏い――そんな女だと。
小川梅子は凛奈が黙っているのを見て、怯んだのだと勘違いしたらしく、ますます得意げに鼻を鳴らした。
「どうしたの? 黙っちゃって。やましいってわけ?」
小川梅子は目を細め、凛奈を斜めに見下ろす。視線は向かいの神野怜司へ流れ、見下すような色がさらに深まった。
「うちの弟は家で、どうやってあんたを取り戻すかっ...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第10章
11. 第11章
12. 第12章
13. 第13章
14. 第14章
15. 第15章
16. 第16章
17. 第17章
18. 第18章
19. 第19章
20. 第20章
21. 第21章
22. 第22章
23. 第23章
24. 第24章
25. 第25章
26. 第26章
27. 第27章
28. 第28章
29. 第29章
30. 第30章
31. 第31章
32. 第32章
33. 第33章
34. 第34章
35. 第35章
36. 第36章
37. 第37章
38. 第38章
39. 第39章
40. 第40章
41. 第41章
42. 第42章
43. 第43章
44. 第44章
45. 第45章
46. 第46章
47. 第47章
48. 第48章
49. 第49章
50. 第50章
51. 第51章
52. 第52章
53. 第53章
54. 第54章
55. 第55章
56. 第56章
57. 第57章
58. 第58章
59. 第59章
60. 第60章
61. 第61章
62. 第62章
63. 第63章
64. 第64章
65. 第65章
66. 第66章
67. 第67章
縮小
拡大
