第64章
黒宮司奈は、息も継げないほど泣きじゃくっていた。
「私、魔が差したの! 私なんて人間じゃない!」
「西島真尾を奪ったのも、お姉ちゃんを陥れたのも……全部、私のせい!」
「お姉ちゃんが許してくれるなら、何だってする!」
視界の端で、植え込みの中に潜むレンズがちらりと光った。胸の奥がくすぐったくなって、泣き声はさらに一段高くなる。
黒宮司奈の算段はできていた。
凛奈が挑発に乗って怒ればいい。罵っても、突き飛ばしてもいい。
そこだけ切り取れば、凛奈を「弱い者いじめ」の加害者として晒し上げられる。
世間は弱者に肩入れするものだ。トレンドを買って、泣いてみせて、可哀想な被害者を演じれば...
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