第67章

「でもさ……」

アンナは眉をひそめ、振り返ってちらりと見る。さっきのおばあさんが、まだ元の場所に立っていた。

「お金もらったのに、なんで何もくれないの?」

「前にこういう占い師見たことあるけど、お金払ったらお守りとかくれるじゃん? あの人、何も渡さずに帰れって言ったよね?」

「何を売ってるの? こんなの、稼ぎ放題じゃない?」

矢継ぎ早の質問に、凛奈はこめかみがズキズキした。もともと空腹なのに、耳元で騒がれて頭まで痛い。

凛奈は足を止め、説明しようと口を開きかけた――その瞬間、顔を上げて凍りつく。

さっきのおばあさんが、いつの間にか目の前に立っていた。不機嫌そうに、じっとこちらを...

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