第68章

三人が食事を終えてホテルへ戻る。

回転ドアをくぐった途端、入口のところに藤田綾香が座っているのが見えた。

アンナは彼女の姿を見た瞬間、むっと唇を尖らせる。

物音に気づいた藤田綾香が顔を上げ、三人を認めると立ち上がって駆け寄ってきた。

「やっと帰ってきたのね」

アンナの前まで来ると、声の調子を柔らかくする。

「どうしてこんなに遅かったの? ずっと待ってたんだから」

アンナはぷいっと顔を背け、鼻でふんと鳴らした。

「待ってた? よく言う。旦那さんとどっか行っちゃって、私のことなんて忘れたのかと思った」

凛奈と神野怜司は目を合わせ、どちらも少し笑いそうになる。

藤田綾香は困った...

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