第70章

黒宮司奈の隣には、西島真尾が座っていた。

凛奈の視線に気づいた黒宮司奈がふっと振り向き、挑発するような笑みを浮かべる。

凛奈の表情が、瞬く間に曇った。

また、こいつ。

どこにでもいる。

「200万!」凛奈が再び札を上げる。

「250万!」黒宮司奈が間髪入れずに追いかけた。迷いなど一切ない。

周囲も察した。これはもう、意地の張り合いだ。

凛奈と黒宮司奈は顔も知られている。二人の因縁も有名で、皆腕を組んで面白がって見守るばかり。誰も札を上げなくなった。

「300万!」凛奈は奥歯を噛みしめて札を上げる。

「350万!」黒宮司奈が即座に札を上げ、笑みをいっそう得意げにした。

そ...

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