第75章

凛奈はほっと息をつき、相当苦労してようやく彼の腕を自分の腰から引きはがした。

慎重に彼をベッドへ戻して寝かせ、薄い掛け布団を引き寄せて腰のあたりまでかけてやる。

熱くなった頬にそっと触れ、深呼吸を何度も繰り返して、暴れる鼓動をどうにか落ち着かせた。

二分も経たないうちに、廊下の向こうから慌ただしい足音が響いてくる。

「凛奈さん! 千葉七生です!」

「いいから早く入ってきて!」

凛奈は思わず呆れた。この千葉七生、融通が利かなすぎない?

千葉七生はボディガードを二人連れ、一直線にベッドへ駆け寄った。

「神野社長! ご無事ですか!」

目を閉じたまま微動だにしない神野怜司を見た瞬間...

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