第78章

凛奈の個展は、一か月後に決まった。

会場は、神野怜司がかつて彼女に貸したギャラリー。

タイトルは――『帰還』。

オープニング当日、ギャラリーの外には長い列ができた。評論家、メディア。かつてレイナを愛した古参のファン。ネットで凛奈を叩いていたのに、今日はわざわざ謝りに来た通りすがりの人間までいる。

展示室の中央には、巨大なメインビジュアルが掲げられていた。

漆黒の地下室に立つひとりの少女。足元には、破れ砕けたキャンバスが散らばっている。

そして頭上――天井を突き破るように、光が差し込んでいた。

その光は、優しくない。

鋭く、眩しく、闇を真っ二つに裂く。

作品名は『もう影として...

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