第80章

一年後。

国際芸術展が開幕した。

凛奈の新作『砕け散る星』は、メインホールの中央に据えられている。

そこにあるのは、壮大な星空じゃない。砕けたガラス、舞う埃、乾いた枯れ葉、そして絵の具にまみれた一本の手。

けれど――壊れた欠片のひとつひとつが、画面の中で確かに光っていた。

評論家は絵の前に立ち、長い沈黙の末に、ただ一言だけ落とした。

「彼女の絵は、廃墟から生え直した魂だ」

凛奈はホールの外に立ち、その言葉を耳にして、ふっと笑った。

スマホが震える。

アンナからだ。

【賞とった! 帰ってきたらご飯おごる!】

続けて、藤田綾香。

【おめでとう。友広があなたの絵はもう買い手...

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