第139章 不可能

「上からの招待だ。どうか我々を困らせないでいただきたい」

 言葉が終わるか終わらないかのうちに、黒崎蓮は一瞬の躊躇もなく、猛然と身を翻した。

 その長身で天宮星羅を完全に背後へ庇い、武装集団からの視線を自らの背中で遮断する。

「断る」

 江利山敦のこめかみに押し当てられたリボルバーは、微動だにしない。

 短い一言。だがそれは、黒崎蓮の喉の奥から絞り出された、鉄錆のようなざらついた響きを帯びていた。狭い空間に、重苦しい余韻が落ちる。

 なぜだ?

 黒崎蓮の思考は混乱の極みにあった。

 こいつらは一体何者だ? 天宮星羅に何の用がある?

 先頭に立つ黒衣の男は、彼の拒絶を想定内と...

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