第168章 横領!

ベッドの上の女が、激しく身を震わせた。

その瞳に宿っていた敵意と警戒の色が、初めて大きく揺らぐ。

女は天宮星羅を凝視し、その唇をわななかせた。まるで彼女の精緻で無垢な顔立ちから、その言葉の真偽を見極めようとするかのように。

「私を信じてくれますか」

天宮星羅はもう一度問いかけた。その口調はあくまで坦然としており、揺るぎない。

杏子は母を見やり、次いで天宮星羅に視線を移すと、小さな両手でボロボロになった服の裾を力いっぱいに握りしめた。

「信じる!」

不意に勇気を振り絞り、杏子は母に代わって答えた。

「お姉ちゃんは、いい人だもん!」

少女は切実な様子で一歩踏み出し、先ほどの自分...

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