第184章 二度目の彼女の放棄

扉が閉ざされようとした、その刹那。

大柄な影が猛然とぶつかってきたかと思うと、その肩で強引にこじ開けようとしてきた。

ドンッ!

凄まじい轟音と共に、ドア枠全体が軋みを上げて震えた。

天宮昴の瞳が、氷点下の如く冷え込む。板一枚隔てた向こう側から、相手の強引な力がまざまざと伝わってくる。

黒崎蓮は肩で扉を押しやり、強引にその身を割り込ませた。

廊下の明かりが遮られ、部屋の中に威圧的な影が落ちる。

「彼女は今、うちの専属デザイナーだ」

歯を食いしばりながら、彼は言い放つ。その全身からは、隠そうともしない苛立ちと殺気が滲み出ていた。

「仕事の話がある。どうしても本人に伝えなきゃなら...

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