第19章 5歳児の密室大脱出劇

二階にある子供部屋。そのドアは、外から施錠されていた。

ノアは小さな体をドアに押し付け、冷たい板に耳をぴったりと貼り付けていた。手にした細長いヘアピンを真っ直ぐに伸ばし、古めかしい鍵穴の芯へと慎重に差し込む。

その手つきは軽く、かつ正確で、同年代の子供特有の浮ついたところが微塵もなかった。

リクは踏み台を持参してその上に乗り、ドアノブを力いっぱい握りしめていた。ノアが解錠に成功した瞬間に合わせ、即座に動けるよう身構えている。

静寂に包まれた室内に、カチリと微かな音が響く。

ノアの目が輝いた。

「開いた!」

兄弟は力を合わせた。一人がノブを押し下げ、もう一人が内側へと引く。彼らに...

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