第191章 切り札vs「切り札」

出町村航総監督の命令は、煮えたぎる油に冷水を浴びせたようなもので、廊下は瞬く間に阿鼻叫喚の坩堝と化した。

さっきまで野次馬を決め込んでいた入選者たちも、今や騒動の当事者となり、その顔色は一様に土気色に変わっている。

「ふざけるな! いきなり再試合だと?」

「何日も精神統一して、やっと最高のコンディションに持っていったんだぞ。それを今すぐ書き直せだと? 国際的なジョークかよ!」

「俺たちはルールを守って真面目に準備してきたんだ。なんでたった一人の不始末の尻拭いをさせられなきゃならない? 残りの百人に対する公平性はどうなるんだ!」

「そうだ! 俺たちは参加しないぞ! 最低限の手続きの正...

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