第22章 実の息子にやり込められ、ぐうの音も出ない!

夜の闇は、墨を流したように濃かった。

裏庭からは天を焦がすほどの火の手が上がり、夜空の半分を不気味な緋色に染め上げている。

耳をつんざく警報音と、ボディガードたちの怒号。それらが別荘の死寂を無惨に引き裂いた。

結局、これが神宮寺司の言っていた『混乱』だったのか。

天宮星羅の心臓は早鐘を打ち、今にも喉から飛び出しそうだった。

冷や汗で濡れた掌で、二人の子供の冷たい手を痛いほど強く握りしめる。

「行くわよ!」

皆の注意があの火事に惹きつけられている隙きに、彼女はリクとノアを連れ、勝手口から外へと飛び出した。

冷たい夜風が頬を打つ。泥と草木の生臭い匂いが鼻腔を突き、極限の緊張で麻痺...

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