第227章 岩美ユナ

クロサキ・ホールディングスの最上階にあるオフィスは、気圧が低く、息が詰まるほど空気が淀んでいた。

高沢記由(たかざわ・きゆ)は黒崎蓮(くろさき・れん)のデスクの前に立ち、その空気と同様に息苦しい進展を報告していた。

「黒崎社長、西園寺麗華の母親が生前接触していた可能性のあるサークルを中心に、条件に該当する家系をすべて洗い出しました」

「条件に合致するのは、ただ一つの家系だけです」

高沢の声は渋く、彼はプリントアウトした資料を蓮の前に滑らせた。

資料の重みは、紙のそれ以上だった。

岩美(いわみ)氏。

海城(かいじょう)はおろか、ビジネス帝国の版図全体に深く根を張る、あの巨大な怪物...

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