第230章 証明できぬ潔白

クロサキ・ホールディングス最上階、社長室。

黒崎蓮は落地窓の前に立ち尽くしていた。灰皿には吸い殻が山と積まれ、焦げ付くような紫煙の匂いが部屋の空気を重く淀ませている。

墓地で天宮星羅が放った言葉が、脳内で何度も反響し、激しく衝突していた。

——指を詰めさせただと?

そんな非道な命令、俺が下すはずがない。

かつて天宮家を潰そうとしたのは事実だ。だが、俺のプライドと美学が、そんな薄汚い暴力など許さない。

誰かが俺の名を騙り、俺の知らぬところで勝手な真似をしたに違いない!

調査結果を待つ数時間、黒崎蓮は座ることもままならず、これまで味わったことのない焦燥感に苛まれていた。

不意にド...

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