第232章 あの夜の相手は私だ

黒崎蓮の顔から血の気が完全に引いた。瞳孔が激しく収縮する。

五年前だと?

アルコールと怒り、そして制御不能な感情に支配されたあの夜。仕事と時間で強引に封じ込めてきたはずの、混沌とした記憶の断片が、脳裏で暴れ出し、炸裂した。

あの日、彼は行きつけのバーの個室で、意識が混濁するまで烈酒を煽り続けていた。

その後は?

その後、何が起きた?

記憶はそこで途切れている。唯一鮮明なのは、翌朝、激しい頭痛と共に目覚めた時のことだ。眩しい日差しの中、西園寺麗華がベッドの端に座っていた。

彼女は彼の大きめの白いワイシャツを身に纏い、ボタンを几帳面に留めていたが、それがかえって下の華奢な体つきを強...

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