第293章 パパ、捨てられちゃうの?

天宮星羅はその合意書を手に、指先まで氷のように冷え切っていた。

条項がびっしりと書き込まれたその紙の束が、今はかつてないほど火のように熱く感じられた。

受け入れる?

それは彼女の五年間に対する、そして天宮家が背負わされた血の代償に対する侮辱に他ならない。

拒絶する?

それでは、彼がこの『贖罪』という茶番を演じきり、一切のしがらみから解放されて綺麗さっぱり去っていくのを認めることになってしまうではないか。

冗談じゃない!

天宮星羅は突然、自分が進退窮まり、どう転んでも正解のない泥沼に立たされているように感じた。

彼女は一日中心ここにあらずで、佐伯七海が摩納蘭からかけてきた電話で...

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