第73章 私と寝ておいて踏み倒す気?

重厚なカーテンの隙間から、朝の最初の一筋の光が漏れ出し、絨毯の上に細長い光の斑点を落としている。

大きなベッドの上は、静寂に包まれていた。

天宮星羅の眠りは極めて浅く、夢見は最悪だった。

五年前の空を焦がす猛火が現れたかと思えば、次は心臓が止まりそうなほどの衝撃を伴う交通事故のフラッシュバック。

彼女は眉間に深い皺を寄せ、無意識のうちに安らかな避難場所を求めていた。

寝返りを打つ。

伸ばした腕が、温かく逞しい肉体に触れた。

……温かい。

張り詰めていた神経が、奇跡のように解けていく。

天宮星羅は無意識に腕に力を込め、その安心できる温もりを貪るように、さらに深く顔を埋めた。

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