第102章

病状が上向いたおかげで、紬の顔色は随分と良くなっていた。時折、階下の庭に出て日向ぼっこをすることもある。もっとも、少し長居しようものなら、あの二人にすぐ病室へ連れ戻されてしまうのだが。

その日、彼女が窓際の椅子に腰掛けて本を読んでいると、病室のドアが静かに開き、そして閉まった。

花束を抱えて入ってきたのは、雅だった。紬に目を向けるその顔に、温もりは微塵もない。

「お姉ちゃん?」

紬は少し驚いたように彼女を見つめた。

「どうして、ここに?」

姉妹が顔を合わせるのは随分久しぶりだった。以前会った時は何度か険悪な雰囲気になっていたため、もう二度と会うことはないだろうと思っていたのだ。

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