第106章

「おばあさま」

紬の行方が気にかかるあまり、蓮はノックすら忘れて祖母の部屋へ飛び込んだ。

祖母はリクライニングチェアに深く腰を掛けていた。血相を変えて飛び込んできた孫の姿を一瞥すると、ゆっくりと視線を外す。

「どうしたの。嫁に逃げられでもした?」

その言葉に、蓮は弾かれたように顔を上げた。

「おばあさま、あいつの居場所を知ってるんですか」

祖母はすぐには答えず、静かな顔で問い返した。

「一ヶ月前、紬さんから離縁を申し出たそうね。だったら、今さら探してどうするつもり?」

蓮の顔からすっと血の気が引いた。無言のまま強く拳を握り締め、やがて観念したように頷く。

「確かに離婚してく...

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