第115章

半月前——

異国の晩秋の朝。飛行機が着陸し、紬はすっかり見知らぬ景色を見つめていた。その顔色は少し青ざめている。

今回の旅立ちは、誰にも告げていない。万が一自分が死んだとしても、せめて世界のどこかでまだ生きていると思ってもらうために。

紬は両手を口元に寄せ、はぁっと息を吹きかけたが、あまり意味はなかった。温暖な気候の南国で生まれ育った彼女にとって、この寒さは堪える。

「ふぅ……」

国内の標準治療は、すでに彼女の病には効果がなかった。そのため、入院中にチャく医師に連絡を取った。事情を知った彼は、もう一つだけ病状の改善に役立つかもしれない方法があると教えてくれた。

「新薬の治験?」

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