第119章

一ノ瀬グループ最上階の会議室。各部長が会議テーブルにつき、張り詰めた空気が漂っていた。本日は年に一度の重要な医療戦略提携の商談日である。

蓮は上座で提携先の資料をパラパラと捲っていたが、「ETグループ・神羽メディカル」という名称に目を落とした瞬間、指先がピタリと止まった。

得体の知れない動悸が全身を駆け巡る。深く考える間もなく、会議室の扉が外から押し開けられた。

「一ノ瀬社長、ETグループの代表がお見えです」

秘書はそう告げる際、ひどく妙な顔をしていたが、説明する暇もなく、ただ頭を下げて道を譲った。

次の瞬間、洗練されたスーツに身を包んだ紬が入ってきた。落ち着き払ったオーラを放ち、...

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