第百二十二章

その日、紬は一ノ瀬グループとの総括会議を終え、アシスタントを連れて自社ビルのエントランスに戻ったところで、行く手を阻まれた。

「三年ぶりね。ずいぶん羽振りがよさそうじゃない、紬さん」

隙なく着飾った雪乃は、笑みを浮かべながらも、あからさまな挑発の目を紬に向けていた。

「あんなふうに勝手に出て行ったから、もう二度と戻ってこないと思ってたのに。よくもまあ、ぬけぬけと顔を出せたものね」

それを聞いたアシスタントの顔色が一変する。

「ちょっとあなた、ここは公共の場ですよ。言葉に気をつけてください」

雪乃は鼻で笑い、紬を見据えた。

「二人だけで少し話せる?」

彼女がこのまま引き下がるよ...

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