第16章

由美子は紬の言葉にぐうの音も出ず、その場に立ち尽くした。突然口答えするようになった彼女に、少なからず驚いているようだ。

姑が怒りで顔を真っ青にしているのを見て、紬は心の中で自嘲した。

もっと早くこうして反撃していれば、あんなにも長い間、息を潜めて耐え忍ぶ必要などなかったのだ。

紬は由美子を避けて二階へ上がり、荷物を取ってそのまま家を出た。まともに顔を見ることすらしなかった。

姑は紬の去っていく背中を睨みつけ、地団駄を踏んだ。すぐさまスマートフォンを取り出し、蓮へ何件もメッセージを送りつけて告げ口をした。

本家からマンションに戻るまで、車でわずか三十分の距離だったが、ひどく長く感じら...

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