第18章

紬は表情を変えず、蓮にこれ以上説明する気も起きないまま、冷ややかに言い放った。

「私のことよ。あなたには関係ないはずだけど」

こんな廊下で言い争いなどしたくない。言い終えるなり、自分の荷物を持ってドアを開けようとし、蓮の存在を完全に無視した。

その態度が、蓮の苛立ちをさらに煽った。俺を無視するだと?

怒りに任せて、紬の手首を乱暴に掴み寄せる。

「紬、警告しておく。俺の前で小細工を弄するのはやめろ」

「可哀想なふりをして倒れれば、俺が気を引かれるとでも思ったか?」

「雪乃の言う通りだ。お前はただの偽善者で、嘘つきだ!」

蓮は声を荒らげ、紬の手を力任せに振り払った。その顔には露骨...

ログインして続きを読む