第19章

紬は建物を後にすると、スマホを取り出して道端で配車アプリを開いた。冷たい風に晒されながら長く待たされ、ようやく一台のタクシーが滑り込んできた。

身を縮こまらせて急いでドアを開け、中へ滑り込む。車内の暖かな空気に触れ、ようやく生き返った心地がした。シートに背を預け、大きく息を吐き出す。

車は一定の速度で走り続け、家に着いたときにはすでに夜の十一時を回っていた。

紬は玄関で靴を脱ぎ、足早に身支度を済ませて書斎へ向かい、パソコンを立ち上げた。

コップに水を注いでデスクに向かった途端、また激しい咳に襲われる。喉の奥から絶え間なく血が込み上げ、症状は日に日に悪化していた。

紬はメールソフトを...

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