第49章

「白石秘書……気でも狂ったのか?」

誰かがふと小声で漏らすと、隣にいた者が慌てて声を潜めて注意した。

「しっ、とばっちりを受けるぞ」

紬の一言で、会議室の空気は一瞬にして数度下がったようだった。誰もが目を伏せ、蓮を見ようとはしない。うっかり火の粉が降りかかるのを恐れているのだ。

雪乃は二人の間のただならぬ空気を察知した。特に、蓮がすぐに激怒することなく、ただじっと紬を見つめていることに、彼女は微かな焦りを覚えた。

「紬さん、怒らないで。蓮はそんなつもりで言ったんじゃないの」

雪乃はわざとらしく紬の前に歩み寄り、いかにも気遣わしげな態度で慰めにかかった。

「あなたは蓮と付き合いが...

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