第51章

「ゴホッ、ゴホッ……」

静まり返った駐車場に、途切れ途切れの咳が響く。紬は柱に寄りかかり、苦しげに喘いでいた。

発作の苦痛は耐え難い。

誰かに陰口を叩かれるのが嫌で、打ち上げが終わるまでなんとか堪えようとしていたが、結局限界を迎え、途中で抜け出してきたのだ。

「紬?」

ふいに聞き慣れた声がして、紬は重い頭を上げ、声のした方へ視線を向けた。

「峥? どうしてここに」

先ほどまで俯いていたため、峥には彼女の顔が見えていなかった。だが今、血の気を失った青白い顔を目の当たりにし、彼は思わず息を呑んだ。

「こっちのセリフだ。どうしてそんなボロボロなんだよ」

そう言いながら、無意識に紬...

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