第52章

「自分を滑稽だと思わないの?」

紬は目の前で顔を曇らせる男を見つめ、淡々とした口調で続けた。

「不倫しているのはあなたであって、私じゃないわ」

「ただ私を苦しめたいだけなら、もうその目的は果たされているはずよ」

彼女が平然とソファに腰を下ろすのを見て、蓮は思わず冷笑を漏らした。

「責任転嫁か?」

彼はスマホを取り出して写真を表示させると、紬の前に歩み寄った。

「なら、これが何なのか説明してみろ」

写真を目にした紬は眉をひそめた。画像は鮮明で、撮影の角度のせいで、彼女と峥がまるで親密な関係であるかのように見えた。

つまり前と同じように、蓮は彼女が峥と密会していると疑っているの...

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