第55章

翌日、紬は午後二時近くまで待ったが、蓮からの電話もメッセージも一向に来なかった。

これ以上待つのはやめにして、あらかじめ用意しておいたプレゼントを手に実家へ向かう。今日は叔父の誕生日だ。何があっても欠席するわけにはいかない。

もしこの病が治らなければ、叔父の誕生日を祝えるのもこれが最後になる。

浅間邸――

「おばあちゃん、叔父さん、ただいま」

紬はプレゼントを提げて玄関を入り、ことさら明るく振る舞った。今日は祖母もいる。決して異変を悟られるわけにはいかなかった。

リビングにはすでに大勢の人が集まっていた。春は姪の姿を認めるなり、満面に笑みを浮かべる。

「紬、来たか」

彼は無意...

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