第65章

庭で気まずい思いをしたせいか、夜になって部屋で顔を合わせたとき、紬と蓮の間には明らかなぎこちなさが漂っていた。

「先にお風呂……」

「まだ仕事が……」

二人の声が重なる。紬は少し驚いたように彼を見つめ、ハッとしてすぐに体をずらし、道を譲った。

蓮は微かに顔をしかめた。平静を装う彼女の態度に、ここ数日の出来事が頭をよぎり、苛立ちはさらに募る。結局、彼は冷ややかな表情のまま紬の目の前を通り過ぎた。

「ふぅ……」

紬はホッと胸を撫で下ろした。バスルームから聞こえてくる水音を耳にしながら、デスクに向かい、パソコンを開いてメールを打ち始める。

蓮が頑なに離婚を認めないため、海外での治療ス...

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