第67章

「一ノ瀬社長。ご指示通り先方に連絡を取りましたが、担当が川口さんだと知るや否や、面会をやんわりと断られました」

佐藤秘書は事実をありのままに報告した。蓮の顔色が曇るのを見て、少し考えた後に付け加える。

「一ノ瀬社長のお名前を出せば、面会の機会を得られるはずです」

それを聞き、蓮は二秒ほど沈黙し、手を振って退けた。

「いや、俺が出向いては意味が変わってくる」

「今、社内では妙な噂が絶えない。雪乃が早く社内で居場所を確立できるようにするには、今回どうしても彼女自身に担当させる必要があるんだ」

その時、社長室のドアがノックされた。入室の許可を得て、紬がドアを押し開ける。

彼女は佐藤秘...

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