第71章

翌日、紬は早めに会社へ出社した。てっきり蓮から何らかの嫌がらせを受けるものと覚悟していたが、昼になっても何も起きなかった。

「佐藤秘書、今お時間ありますか? 少しお話ししたいことがあって」

昼休み、紬は給湯室の前で佐藤秘書を呼び止めた。蓮が一体何を企んでいるのか、探りを入れる必要があった。

呼び止められた佐藤秘書は明らかに緊張した様子で、周囲を見回すと、逃げ込むように給湯室へ引き返した。

普段とは違うその態度に違和感を覚え、紬もすぐさま後を追って中へ入る。

「佐藤秘書、お聞きしたいんですが……」

「画廊の件ですね」

言葉を遮られ、紬は一瞬言葉を失った。

「どうしてそれを……」...

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