第九十一章

引き継ぎ用のプロジェクト資料をまとめるのに、紬は丸二時間を費やした。だが、提出した資料は上層部から立て続けに突き返されてしまった。

「神崎部長、このプロジェクト資料のどこに問題があるのでしょうか。なぜまた差し戻されたのですか」

紬は資料を手に、直接プロジェクト部の部長のもとへ直談判に向かった。本来なら同僚に案件を割り振るつもりだったが、彼女の抱えているプロジェクトは一度プロジェクト部へ戻し、再分配すべきだと企画部から横槍が入ったのだ。

だからこそ規定通りに各案件を整理したというのに、いざ提出すると正当な理由すらなく何度も突き返される始末だった。

「それは、その……」

神崎部長は困り...

ログインして続きを読む