第92章

オフィスに戻るなり、紬がプロジェクトの資料に目を通す間もなく、彼女を心配していた八嶋未紗がドアを押し開けて入ってきた。

「白石秘書、大丈夫ですか? 雪乃の件で、一ノ瀬社長に何か酷いこと言われませんでしたか」

雪乃と口論になって以来、八嶋未紗はずっと気が気ではなかった。一ノ瀬社長が紬を呼び出したと知ってからは、なおさら心配でたまらなかったのだ。

彼女は足早にデスクへ歩み寄り、心配そうな顔で紬を観察した。

「一ノ瀬社長に呼ばれたのって、やっぱり雪乃のせいですか」

「全部私のせいです。雪乃と喧嘩なんてするべきじゃなかった。彼女には一ノ瀬社長がついてるんだから、絶対に社長に泣きついて仕返し...

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