第93章

翌日、某レストラン――

「心配しないで、私なら大丈夫。もし本当に何かあったら、すぐに連絡するから」

紬は電話の向こうにいる恬子をなだめた。平沢友明をうまくあしらえる確証はなかったが、事あるごとに彼女に頼るわけにはいかない。

それに、今回は何としても提携を勝ち取らなければならない。そうして初めて、蓮がこれ以上自分を会社に引き留める口実をなくせるのだ。

「うん、わかってる。気をつけるから……」

紬が根気よく応じ、ようやく恬子を安心させたそのとき、個室の外から足音が近づいてきた。

腕時計に目を落とす。ちょうど約束の時間だ。平沢友明が到着したのだろう。

ガチャリ。

外から扉が開かれ、...

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