第95章

二時間後――

救急処置室のランプが消える。峥は弾かれたように立ち上がり、ドアの前へ向かった。出てきた医師を捕まえ、焦燥に駆られた声で紬の容態を尋ねる。

「見覚えがあります。患者さんのご友人ですね? たしか、あなたも医師だったかと」

執刀医は峥の顔を思い出し、看護師からカルテを受け取って目を落としながら言った。

「藤城先生、患者さんとはあまり親しくないのですか?」

峥は虚を突かれた。医師の意図が読めなかったが、ありのままを説明する。

「幼なじみで、昔はよく一緒にいました。彼女が結婚してからは疎遠になっていましたが……それが病状と何か関係があるんですか?」

執刀医は顔を上げ、怪訝そ...

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