第7章

 椅子を引き寄せ、腰を下ろした。

「5,000万円。あなたたちにとっては、そりゃ天文学的な数字よね。身ぐるみ剥いで売り払ったって、たぶん足りない」

 怯えきった目を向けてくる彼女らを見回しながら、ゆっくりとルールを投げる。

「とはいえ、私だって何もかも徹底的に叩き潰したいわけじゃない。大勢を一括りにはできないってことくらい、分かってる」

 その一言で、村木の目にぱっと希望の火が灯った。

「だから、訴える相手を変更することにした」

 指を一本立て、視線を平原に固定し、噂に乗った取り巻きへと滑らせる。

「全員は訴えない」

「訴えるのは――最後まで名簿に残った、最後の一人だけ」

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