チャプター 17

バイオレット視点:

路地の影から見ていると、デイモンがポケットから携帯端末を取り出した。

画面は確認しない。ただ出るだけだ。視線は一度もセレステの顔から外れない。

「話せ」彼は命じた。

私は端末を耳に当てた。「……何でもない」感情のない声で言う。「かけ間違いよ」

そう言ってすぐ切った。

遠くでデイモンが眉をひそめ、端末を離して睨みつける。困惑が一瞬、顔をよぎった――私の声だと気づいたのだろう――だが、セレステが一歩寄り、怯えたように彼の腕へ手を添えた途端、それは霧散した。彼は端末をポケットに戻す。選んだのだ。

私は叫ばなかった。昔のバイオレットみたいに、光の中へ飛び出していって荒...

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