第七十一章

ヴァイオレット視点:

オーロラの話をし終えたあとも、エヴァンはさらに一時間ほど残ってくれた。もう一度けがの具合を確かめ、氷嚢を当て直し、手を伸ばせば水が取れるようにしてくれる。ようやく立ち上がって帰ろうとしたとき、私は彼の手首をつかんだ。

「エヴァン、言わなきゃいけないことがあるの」

彼は私を見下ろした。薄い緑の瞳が、用心深く揺れる。

息を吸う。「執着する価値のないものもある。愛してくれない相手を追いかけないで。絶対に選んでくれない人のために、人生まるごと犠牲にしないで」

エヴァンの全身が固まった。長いあいだ、ただ私を見つめるだけだった。やがて顔を背け、顎がぎゅっと動く。痛いものを飲...

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